今日は特別な日。 特別だけど、ただの一日。 四年に一度のうるう年。 四年に一度なんて遠すぎて。 前のこの日がどんな日だったのか、まったく覚えていない。 四年という月日は長すぎる。 過ぎてしまえばこんなにあっという間なのに。 特別なお祝いをするわけ…
もう少し寝かせてほしい。 せっかくの休日。 君にからだを揺すられても、からだが重たくて起き上がれない。 もう少しだけ。 それがどのくらいかは約束できない。 頭では今すぐにでも起き上がりたいけれど。 からだが重たくて起き上がれない。 5分10分くらい…
我が家ではなぜか、水曜日は外食の日。 僕と妻と5歳の娘。 共働きだけど、娘がいるし、高級な店には行けずに庶民的な店ばかり。 十分、美味しい。 僕も妻も娘も、それぞれが食べられるものがあるから。 でも本当は、行きたくないんだ。 水曜日は憂鬱、だから…
特別な一日があるとして。 カレンダー的には今日なのだろうけど。 イコール私の歴史の中で今日が特別な一日かどうかは別のお話。 何気ない一日かもしれないし。 なにもない一日かもしれないし。 もしかしたら特別な一日になるのかもしれない。 はじまってみ…
煩悩は108あるらしい。 なにが煩悩でなにが煩悩じゃないのか知らないけれど。 煩悩のイメージ的に。 私のは108じゃ足りない気がする。 煩悩なくすために鐘を鳴らすのなら。 いくらでも鐘を鳴らそう。 煩悩なくすのはいいけれど。 最後のひとつは残してほしい…
キラキラ光って眩しい。 目をそむけたくなるほどに、眩しい。 町は明るく賑わって。 ライトに照らされた人々は早足だったり立ち止まったり。 どこもかしこもイルミネーション。 どこもかしこもクリスマスソング。 新たなクリスマスソングがなかなか定着しな…
まだ大丈夫。 そう言い聞かせて気がつかないフリ。 次から、明日から。 そう言い続けてきた。 まだまだに日にちは残っている。 そう思っていたのに。 カレンダーに目をやる。 日めくりじゃなく月めくり。 カレンダーを触る。 薄い。 めくればもう壁だ。 今年…
いつか私は失恋する。 君に失恋する。 そんなことはわかっていながら。 今が良ければ、それでいい。 そう思わせる君は、すごい。 歳月が経つのは早い。 君と一緒にいれば、尚更。 今を大切にしたい。 そう思わせる君は、すごい。 それでも、きっと、いつか君…
怖いものなんてないかのように。 仮装でいくら誤魔化しても。 怖いものがある。 地に足が着かず、浮かれてしまう。 浮いてしまうのを恐れるように。 流れに逆らうことはしない。 ミーハーだと言われようが。 世の中、大体、多数決。 なんの為にしているのか…
さらけだしていた肌を覆い隠す。 たまにさらけだしてみても、少し前とはもう違う。 小麦色に染まった肌を脱ぎ捨てる。 湿った肌を脱ぎ捨てたら、乾いてばかりになってしまった。 見た目が少しばかり変わったことに、誰か気づくのだろうか。 自分じゃ、よくわ…
目の前に広がるのは、色のないモノクロな世界。 何度も見たことがあるのに、何度も見ても私の想像が追い付かない。 どれほどの年月を重ねても。 どれほどの爆音が降り注いでも。 あちこちから流れ着く、泣き声しか聞こえない。 どれも小さく、星の数ほどある…
晴れるかな? 雨が降るかな? 良いことあるかな? 悪いことないかな? いつもなら、それくらい。 ほとんとの人にとって今日はそんな日。 でも私にとっては違う。 一年で一番特別な日。 晴れてもいいけど。 雨が降ってもいいけど。 今日が素敵な日になります…
春はとうに過ぎた。 過ぎてしまえば、あっという間。 いろんなことを懐かしむ。 遠い昔のことのように。 汗かきながら空を見る。 また春はやってくる、と。 青い春はとうに過ぎた。 過ぎてしまえば、あっという間。 いろんなことを懐かしむ。 遠い昔を思い出…
テレビの画面には高校野球が流れている。 もうすぐプロ野球もはじまる。 球春到来! ソファに埋もれたままテーブルに置いてあるティッシュを手に取る。 そしてティッシュを丸めて、ごみ箱めがけて投げる。 ほんの1、2メートル。 こんなの簡単だ。 テレビの向…
手が冷たい人って心が温かい、って聞いた。 わたしの手はどうなのだろう。 自分じゃよくわからない。 いろんなところをペタペタ触る。 「こらっ、何してるの!」 おかあさんに叱られた。 いつも叱られてばかり。 わたしの手が温かいか調べただけなのに。 「…
コツコツ、コツ。 後ろのほうから足音が聞こえてくる。 何度か振り返ってみるが、人が多すぎて誰の足音なのかわからない。 ここにはいろんな足音がありすぎる。 誰かが近づいては私を抜き去り、誰かが遠ざかっては消えていく。 コツコツ、コツ。 後ろのほう…