雑文記【ひびろぐ】

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

煩悩、数えて、109個目。

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煩悩は108あるらしい。

 

なにが煩悩でなにが煩悩じゃないのか知らないけれど。

 

煩悩のイメージ的に。

私のは108じゃ足りない気がする。

 

煩悩なくすために鐘を鳴らすのなら。

いくらでも鐘を鳴らそう。

 

煩悩なくすのはいいけれど。

最後のひとつは残してほしい。

 

最後に残る煩悩は。

きっと、生きたい、と思うこと。

 

今年はしっかり生き延びることができたから。

来年もしっかり生き延びることができるよう。

 

最後のひとつはどれだけ鐘を鳴らしても残しておきたい。

 

鐘の音は聞こえないけれど。

カウントダウンがはじまった。

 

カウントダウンが0になれば。

また365からはじまる。

 

いや、来年はうるう年だから。

366からはじまる。

 

生きるための煩悩。

生きる煩悩。

 

煩悩が108あるのなら。

鐘の音ですべてなくなってしまうのなら。

 

109個目をしっかり持っていよう。

 

どこかで鐘の音が鳴った気がした。