雑文記【ひびろぐ】

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

日記のようなもの⑤

素直な気持ちが言えなくて。 素っ気なく「またね」なんて軽く言う。 ものすごく世話になったのに、そんなことしか言えないなんて。 あなたのやさしさに甘えて、私の言い分ばかり。 あなたの言い分は知らんぷり。 わかってくれていると思っているから、わかっ…

日記のようなもの④

君は新たな道を行くんだ。 ハロー。 どこかの道でまた会おう。 ハロー、って言えば、どこで出会っても通用するらしいよ。 君はこれからどこへ向かうのか。 向かう先をきっと君は知っているのだろうね。 人生が道だとしたら。 確実に君は今、岐路に立っている…

日記のようなもの③

通りがかりにカフェに入る。 おしゃれ感満載のカフェ。 ここに来たかったわけではない。 たまたま見つけただけ。 歩き疲れたと同時にやたらとのどが渇いたから。 まわりには何もなくて、ちょうど見えるところにあっただけ。 運命なんて大それたものじゃない…

日記のようなもの②

怒りを吐き出す。 どうにも我慢できなくて。 感情に任せていたら、口からなにかが出てきた。 赤くてドロドロしたもの。 白いTシャツにかかった。 べっとりかかった。 拭いてもとれない。 洗ってもとれない。 すっかりシミになってしまった。 どんな手を使っ…

日記のようなもの①

こんなに傷だらけなのに助けてくれない。 自分で治せ。 無言でそう言われている気がする。 いつか治る。 たまにそう言う人が現れる。 いつかはわからないらしい。 それまで我慢しろっていうこと? だったら一人がいいよ。 でも一人は嫌だしな。 どこかで誰か…