日記のようなもの①
こんなに傷だらけなのに助けてくれない。
自分で治せ。
無言でそう言われている気がする。
いつか治る。
たまにそう言う人が現れる。
いつかはわからないらしい。
それまで我慢しろっていうこと?
だったら一人がいいよ。
でも一人は嫌だしな。
どこかで誰かと繋がっていたい。
そのためにウソはつくし、媚びるし、バカになる。
笑っていたいと心の中で思っても。
上手に笑えないことばかり。
顔の筋肉がつりそうになる。
いつだってどこかに傷を負っている。
勝手に治るものもあれば、そうじゃないものもある。
水を浴びれば滲みるし、風を受けても滲みる。
絆創膏を買いに行こう。
ドラッグストアに行こう。
絆創膏を買いに来たのに。
ドラッグストアにはいろんなものが売ってある。
いろんなものが目に入る。
いろんなものが欲しくなる。
あれもこれもと欲しくなる。
今必要なものかと言われれば、きっとそうじゃない。
見たくないものはたくさんあるから。
目に入って欲しいものは、必要なものじゃなくてもいい。
見たくないものはたくさんあるから。
目を閉じてまぶたに絆創膏を貼る。
聞きたくないものはたくさんあるから。
耳の穴の上から絆創膏を貼る。
すぐに剥がれる。
ちょっと痛い。
傷だらけなのに、痛みが増える。
絆創膏を貼ったのに。
剥がれた絆創膏を見ると、なんだか笑えてくる。
自分で治す。
いつか治る。
しなびた絆創膏を見て、引っ張る。
笑いながら、もう一度貼ってみる。
やっぱりすぐに剥がれる。
それでもいいや、と思えたから、きっとまだ大丈夫。