季節が変わるたびに変わりたい。
さらけだしていた肌を覆い隠す。
たまにさらけだしてみても、少し前とはもう違う。
小麦色に染まった肌を脱ぎ捨てる。
湿った肌を脱ぎ捨てたら、乾いてばかりになってしまった。
見た目が少しばかり変わったことに、誰か気づくのだろうか。
自分じゃ、よくわからない。
毎日のことだから。
そのくらいの変化には気づかない。
あのころよりか、少しは成長しているのだろうか。
脱皮まではいかなくても。
新たな肌に包まれて、見た目以外、少しはなにかが変わったのだろうか。
なんだか、からだが薄くなった気がして。
いろんなものに敏感になった。
あのころのように、なにも気にせず鈍感なままでいたいのに。
いろいろ気にしてしまう。
袖をまくって薄くなった肌を見る。
記憶よりも記録が残る。
強い陽射しはぼんやりとしか覚えていないのに。
薄くなった肌には、いくつもの夏が強くはっきり残っている。
ため息を吐く。
やっぱりいろんなことが気になってしまう。
衣と一緒に気持ちも替えたい。
脱皮まではいかなくても。
小さなことが気になって、いろんなことが気になって。
それでも気づかなかったら、どこか嫌で。
衣替えをしよう。
陽射しがこんなに柔らかくなってきたから。
衣も肌も脱ぎ捨てて。
新たなものに覆われて。
気分だけでも変えてみる。