水曜日は憂鬱。
我が家ではなぜか、水曜日は外食の日。
僕と妻と5歳の娘。
共働きだけど、娘がいるし、高級な店には行けずに庶民的な店ばかり。
十分、美味しい。
僕も妻も娘も、それぞれが食べられるものがあるから。
でも本当は、行きたくないんだ。
水曜日は憂鬱、だから。
マラソンに例えるなら、折り返し地点。
まだ半分も残っている。
こんなに走ったのに、まだ半分も。
フルマラソンなんて、したことないけど。
登山に例えるなら、頂上に着いたころ。
まだ下山が残っている。
もう体力残っていないよ。
登山なんて、したことないけど。
たとえはイマイチだけど、結局まだ半分ってこと。
次の休みまで。
月曜日は、なんとか出勤して。
火曜日は、余韻でなんとか乗り切って。
木曜日は、うっすらゴールが見えてきて。
金曜日は、ラストスパートで走り抜ける。
ほら。
水曜日は憂鬱なんだ。
はじまったばかりではないけれど、ゴールは見えない。
振り返っても先を見ても、どこもぼやけている。
頑張ろうという気持ちが一番萎える時期。
そんなときは、家でゆっくりしたい。
酒が回ってきたせいか、ついポロリと妻に言ってしまった。
しまった。
言ってすぐに後悔した。
妻は表情を変えずに言う。
わかるよ。すごく気持ちわかる。
でも私も少しは働いているし、家のこともあるし。
家のことは土日なんて関係ないし。
それでもゴールはあるし、山もあるし、波もある。
だから水曜日は憂鬱。
すごくわかる、私も。
だから、外食したいの。
食事を作ったり片付けたり。
それがないだけでも。
わかっていたのに、どうして僕は口走ってしまったのだろう。
妻が水曜日を外食の日にしよう、と言ったその日から。
いや、それよりもずっと前から。
ごめん。
それしか妻に言えなかった。
情けない男だよ、僕は。
やっぱり水曜日は憂鬱だ。