自分と他人の評価が珍しく一致するとき。
夜が長い。
秋だから。
いや、違う。
何度時計を見ても、針は少ししか進まない。
体感では二時間くらい経っているのに、三十分しか進まない。
窓の外からは名も知らぬ虫の声。
コオロギとスズムシの区別すらつかない。
時計と同じ数だけ鏡を見る。
何度も、何度も、自分の姿を。
何度見ても、変わらないことは知りながら。
何度も見ることで、不思議と目は慣れてくる。
あれ?
思ったよりも。
そう思ったところで、何回見たの?っていう話。
変なところだけポジティブ思考。
自分を慰めるだけ。
夜が長い。
早く楽になりたい。
朝はまだ来ない。
みんなはなんて言うのだろうか。
みんなになんて言われるのだろうか。
嗚呼。
早く楽になりたい。
早く朝になってほしい。
何度も見て、見慣れたとしても。
髪を切りすぎたのは間違いない。
髪を切りすぎた夜は、まるで永遠のよう。