雑文記【ひびろぐ】

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

歌声、公道、大声。

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歌う勇気もないくせに。

 

道を歩きながら自転車を漕ぎながら歌うあなたは、きっと幸せなのね。

なんの歌を口ずさんでいるのかはわからない。

あなたは音痴だから。

 

でも、良い曲なのでしょう。

歌いたくなるくらいに。

 

私だって、ひとりでこっそり口ずさむ歌はどれも私のどこかに突き刺さったものばかりだから。

人前で歌う勇気なんてないから。

あなたはすごく幸せなのでしょう。

 

でも、たまにうるさく感じてしまうのは許して。

窓だけじゃなく、カーテンまで閉めてしまうことも。

 

メロディーに耳を澄ませても、歌詞を読み取ろうとしても、なんの歌なのかわからない。

あなたは音痴だから。

 

それでも幸せなのでしょう。

自分が好きな歌を口ずさんでいるときは、あなたも私も。

 

自分が幸せなとき、まわりはそれを妬んでばかり。

あなたも私も、きっとそう。

 

窓もカーテンも閉めるときがあれば、耳を澄ませるときもある。

どうしても勇気が出ないときもあるから。