今さら知ること。
誰にだってあるでしょう。
自分でも知らない過去が。
アルバムを見ながら思う。
そうだったんだ、って。
どこか他人事。
こんな時があったのか。
こんなことがあったのか。
一生懸命してくれていたのに、ごめん。
この時はこうだったんだよ。
あなたの話す仕草が、どても楽しそうなのに。
それに応えられない私。
それでもこんな話をすること自体が、少し前では考えられなかった。
ずっと勘違いしていた。
ずっと当たり前だと思っていた。
私もあなたも、ひとりの人間なのに。
そんなことすら、知らなかった。
へえ、そうなんだ。
素っ気なく答える私。
私のことなのに私が知らない話をするあなたは、楽しそうで誇らしそうでどこか寂しそう。
自分のことなのに知らないなんて、なんだか不思議。
まだまだ私が知らないことがあるのだろう。
少しずつでいいから、教えてほしい。
ようやくあなたと、こんな話を笑ってできるようになったのだから。