雑文記【ひびろぐ】

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

母校の校舎と校庭と。

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こんなに小さかったっけ?

灰色の校舎を見て、私は呟く。

 

こんなに狭かったっけ?

土色の校庭を見て、私は呟く。

 

私の母校。

もっと大きかった気がするのに。

もっと広かった気がするのに。

 

無性に見たくなった。

その理由はわかっている。

 

ここに通っていたころからどれほど時間が経ったのだろう。

変わっていないつもりでも、いろいろ変わった。

 

毎日見ているとわからない。

時間を空けると、少しは実感できる。

 

中身が成長したかどうかはわからないけれど。

からだだけは大きくなった。

一丁前に結婚して、子供を産んだ。

 

ここに通っているときは想像できなかった今がある。

いつかは私もそうなるのかな?なんてぼんやり考えていたことが、今なんだ。

 

ねえ、あなたもそうなるのかな?

 

手をつないで横に立つ娘を見る。

 

春になったらここに通うのよ。

 

学校?

 

そう、小学校。ママもここに通っていたの。

 

ママと同じ?

 

そう。

 

やったー。

 

はしゃぐあなたとここに来たかった。

 

ありがとう。

こんな思いをくれたのは、あなたのおかげ。

 

思い切り楽しんでね。

私のように。