雑文記【ひびろぐ】

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

変わるものと変わらないもの。

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友人たちと数年ぶりに会った。

 

みんな少しずついろんなところが変わっていて。

きっと私もそうなのだろうと思った。

 

近況報告はそこそこに、あのころの話で盛り上がる。

いつだってそう。

どれだけ久しぶりに会っても、一瞬であの頃にタイムスリップする。

 

何度も同じ話をしているのに。

笑い声は絶えない。

 

いくつも話が変わっても。

どれも結末がわかっていても。

ハッピーエンドじゃなくても。

バッドエンドでも。

 

いつだって、笑って終わる。

昔話は、めでたしめでたし、で終わる。

 

そろそろお時間なんですけど…。

店員さんが申し訳なさそうに言う。

 

再会してからここまで、あっという間。

 

ごめんなさい。

何も悪くない店員さんにそう言って店を出る。

 

誰もがあの頃とは変わっているのに。

誰も笑い方は変わっていなかった。

 

次はいつ会えるのか。

そんなことはどうでもいい。

いつだって大丈夫。

 

一瞬であの頃に戻れるから。

 

あの頃から今まで。

なにも終わっていなくて、なにかが終わっている。

変わったものと変わらないもの。

笑えるなら、それでいい。

 

笑って別れよう。

そして、笑って再会しよう。