歩行速度、平均以上、平均以下。
休みの日とそうじゃない日。
歩くスピードは違っている。
なにかに追われるように。
なにかを追うように。
そうじゃない日は、いつだって急ぎ足。
休みの日は。
うしろ向きに歩いたり、意味もなくスキップしたり。
まわりに誰もいないか確認して、やってみる。
誰かと会いたい気持ちがないわけじゃないけど。
誰とも何の約束もない日がうれしかったりする。
なにもない時間。
なんでもある時間。
鼻歌まじりに歩いていく。
ゆっくり歩いて。
時折スピード上げて。
そして、スキップして。
自由自在に歩いていく。
どこまでも、いつまでも、行けそうな気がする。
それでもやっぱり。
わかってはいるけれど。
体力は有限。
時間も有限。
ゆっくりしすぎて、終電に乗り遅れそう。
最後の力を振り絞って、急いで歩く。
駅へと急いで走る。
スキップなんてしている場合じゃない。
息を切らして、駅まで急ぐ。
そうじゃない日へ向かう電車に乗り込む。
電車に揺られてまぶたが重たくなる。
急に足も重たくなる。
駅までのダッシュが響いている。
そこで、もう。
休みは終わっていたのだと、気づく。