雑文記【ひびろぐ】

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

夢中、熱中、自己中。

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夢の中にいるようだ。

 

夢の中にはっきりといたことはないけれど。

きっとこんな感じなのだろう。

 

思ったとおりに動かない。

足は遅いし。

指先は絡まってばかりだし。

言いたいことが上手く言えない。

 

思い描いていたものとなにかが違う。

 

思い描いていた夢の中に今いることは、確かなのに。

 

あなたと一緒にいることを夢見ていたのに。

 

思い描いていたものとは違う。

 

見える景色も。

時間の流れも。

 

想像していたものとは違う。

なにもかもが違う。

 

感情はひとつではないことを知る。

夢の中といえども、あらゆる感情は生き残ったまま。

夢の中にいれば。

当たり前のことすら忘れてしまう。

 

思い描いていたものと、なにもかもが違う。

私も。

あなたも。

 

でも、がっかりなんてしてないよ。

 

夢はいつしか冷めてしまうから。

都合の良いことばかりを願ってしまうから。

 

私は夢中にならない。

 

あなたとずっと一緒にいたいから。

私はあなたに夢中にはならない。

 

思い描いていた夢の中とは違うから。

夢の中にいるわけではない。

 

あなたが隣にいることが。

夢じゃなくて、良かったんだ。

 

だから、私はがっかりなんかしていない。

 

あなたに夢中になんて、ならない。