雑文記【ひびろぐ】

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

道草煙草。

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まっすぐ行くことはなくて。

 

いつでも道草食って遠回り。

 

目的地まではきっとまだまだ。

長い道のり。

そんなに急いでもしょうがない。

 

裏道脇道を通って道草を食う。

 

行き着く場所はわかっている。

時間がどのくらい残っているのかは知らない。

残り僅かじゃないことを祈りながら。

まだまだ時間はあると信じている。

 

道草を食う。

もっといろんなところに行ってみたいから。

 

メインストリートばかり歩いていられない。

知らない道はまだまだたくさん。

 

ここしか知らないから肩身が狭い。

でも本当は知っている。

どこに行っても同じだって。

 

風の流れを気にしながら。

風に乗ってあちこちへ。

 

最後に行き着く場所は知っているから。

遅かれ早かれ、必ずそこに。

だから、少しくらい遠回りさせてよ。

 

道草食って煙草を吸う。

リラックスしながらも煙の行く先には気をつける。

 

煙は薄く広がって消えていく。

先に行って待っていて。

 

死への道のりの途中。

 

もう少しだけ生きさせて。

もう少しだけゆっくりさせて。

 

道草煙草。

 

慌てず急がずゆっくりと。

少しくらい遠回りさせてよ。

 

いや。

遠回りじゃなく近道なのかもしれない。

 

消えた煙の行方を追う。

天国か地獄か。

私の行く先はふたつにひとつ。

 

煙の行方に気をつけながら。

少しでも迷惑かけまいとする、私のあざとさ。

 

道草煙草。

私の限られた時間の使い方くらい、私が決めてもいいじゃない。