雑文記【ひびろぐ】

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

息切れ、動悸、引きちぎられる。

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寒いからダッシュしてみる。

 

暑かろうが寒かろうが眠たかろうが。

四六時中ダッシュしていたあの頃を思い出して。

 

そして気づく。

あの頃のようにはもう走れない、と。

 

脚の裏側のどこかが引きちぎれそうだ。

吐く息は白いままだけど。

吐き出す回数も量も増している。

 

からだは少し温まった。

汗をかくほどではないけれど、温まった。

 

でもそれ以上に。

呼吸は荒く、鼓動は高鳴ったまま。

なにも話せない。

呼吸をするのに精一杯。

 

ダッシュした分、時間も距離も稼げたけれど。

 

呼吸は少しだけ落ち着いたとしても。

鼓動は高鳴ったまま。

脚は痙攣を起こしたようにガクガク震えたまま。

 

ダッシュした分だけ。

君のところへ近づいた。

もう少しで君のところへ辿り着く。

 

鼓動は高鳴り、脚は震える。

 

ダッシュのせいなのか。

君のせいなのか。

 

急に走ったらダメだね。

準備運動しないと。

少しずつ、徐々に。

急に近づいたら準備不足。

 

心も体もちゃんと温めないと。

 

心も体も、引きちぎれそうになる。