ホットミルクとあったかい牛乳。
牛乳は苦手。
小さいころの方が飲めていたくらい。
飲めないわけではないけれど。
飲む機会はほとんどなくなってしまった。
冷蔵庫に牛乳パックは見当たらない。
玄関先に牛乳瓶があるはずもない。
眠れない夜に、あったかい牛乳を。
なんだか惹かれない。
余計眠れなくなりそうだ。
眠れない夜に、ホットミルクを。
なんだか美味しそう。
ホッとしてよく眠れそうだ。
寒いけれど牛乳を買いに行こうか。
いや違う。
ミルクを買いに行こうか。
からだは冷えるけれど。
その方がホットミルクの良さが引き立つかもしれない。
同じものなのに。
牛乳とミルク。
あったかい牛乳とホットミルク。
言い方が違うだけ。
言い方ひとつで印象が変わる。
横文字すればいいってことではなく。
おしゃれにすればいいってことではなく。
牛乳が悪いことではなく。
ただの言い方。
言い方が変われば印象も変わる。
単語だろうが文章だろうが言葉だろうが。
もう少し考えないといけない。
君に伝える言葉を。
言い方を。
言い方ひとつで君の受け取り方が変わるのなら。
言い方変わればなにかが変わるのなら。
もう少し君のことを考えないといけない。
言い方を変えないといけない。
そうやって世界は少しだけ変わっていくのかもしれない。
牛乳もミルクも同じだけど。
今いる世界は変わらないけど。
あったかい牛乳とホットミルクは違うんだ。
見える世界は少し違うんだ。