ペン、お気に入り、パンパン。
文房具コーナーに行けば。
必ずなにかしら気になるペンと出会う。
家に変えればたくさんペンがあるのに。
まだ使えるペンがいっぱいあるのに。
どうしても見てしまう。
見ていると、やっぱり欲しくなる。
お気に入りのペンと手に取って、使っている自分を想像する。
色や形やデザインや細さや濃さや。
自分なりのチェックポイントは多岐にわたる。
手に取って確かめる。
気に入ったペンの大体は。
少しの違和感を覚えても、気づかないフリ。
マイナスをプラスが覆って消す。
スルーする。
気に入って手に取った時点で。
勝負は既に決している。
家に帰れば、私のペン立てはパンパンなのに。
お気に入りばかりのはずなのに。
きっとまた新たなお気に入りが現れて、私のペン立てに収まる。
ペン立ては歴代のお気に入りのペンでパンパン。
1軍、2軍、4軍まである。
4軍だってお気に入り。
過去の私が選んだものだから。
私の心を鷲掴みにする魔法のペンは、この世にたくさん溢れている。
書きたいものも。
描きたいものも。
たくさん溢れている。
いざ、お気に入りのペンを持って書こうとしても。描こうとしても。
魔法のペンのはずなのに。
魔法がかからず、なにも書けない。
ペン立ての中身は増える一方。
書きたいことも。
描きたいことも。
溢れ出すほどあるのに。
溢れ出ると、消えてしまう。
なにも残せず。
ペン立ての中身だけが増えていく。
新しいペン立ても買わなくちゃ。
私のペン立てはもうパンパン。
いつになったら書けるのか。
いつになったら描けるのか。
いつになったら、完成するのか。
お気に入りのペンばかり増えていく。