雑文記【ひびろぐ】

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

不眠、夢見、企み。

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眠れぬ夜は。

時間が経つのが早い。

 

もうこんな時間。

何度も時計に目をやる。

 

明日は早く起きなくちゃいけないのに。

そう思えば思うほど眠れなくなる。

 

今眠れば、何時間眠れる。

逆算ばかりで、残り時間は減るばかり。

 

部屋は真っ暗。

眠るギリギリまでなにかしていたいタイプだけど。

今夜は動画もテレビも文章もシャットアウト。

 

目を閉じる。

眠ることに集中する。

 

羊を数えても。

百まで数えれば飽きてしまう。

 

百を過ぎれば時間だけが進む。

カウントダウンがはじまった。

 

今から眠って寝過ごすくらいなら。

このまま起きていよう。

 

眠らなくても大丈夫。

一日くらい、大丈夫。

 

このまま起きていればいいじゃない。

 

時間が早く感じるのなら。

あの人に会えるまでの時間が短くなる。

いつもより早く、あの人に会える。

それなら、少しくらいの寝不足は気にならないでしょ。

 

がんばって起き続けたとして。

あの人の前であくびをしないよう。

あくびをしたくなっても噛み殺して。

 

あの人に会って、つまらないわけはないでしょうに。

変な風に思われないように。

 

寝不足自慢は自慢にならない。

変な勘違いをしないで。

 

あなたに早く会いたかったからずっと起きてたの、なんて言って。

変な目で見られる可能性は排除して。

 

まだ勝負は早い。

 

変な企みは捨ててしまおう。

 

カウントダウンが進まない。

さっきまであんなに眠れなかったのに。

 

眠らないと決めたら眠たくなるなんて。

 

思い通りにはいかない。

 

あなたも。

私も。

想いも。

眠れぬ夜も。