雑文記【ひびろぐ】

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

手が冷たいときの対処法。

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かじかむ手。

右手と左手をこすり合わせる。

 

乾燥肌な私の手。

かさかさを重ね合わせても、かさかさしか生まれない。

重ね合わせた手のひらに、吐息を吹きかける。

 

からだの中にある温かいものを吐き出すように。

声を出しながら、吹きかける。

 

少しだけ温かくなるけど、すぐに冷える。

冷たい風がさらに冷たさを増す。

 

湿った冷たい風は、潤いを与えてくれない。

あなたの手は、あんなにも温かくて潤いをくれたのに。

 

あなたが隣にいないから。

私の手は冷えて乾く一方。

 

いくら息を吹きかけても。

私の中には温かいものがないのか。

いつまで経っても、冷えたまま。

 

あなたの温もりじゃないと。

 

温もりも大きさも、全然違う。

私のとあなたのじゃ、なにもかもが違う。

 

寒いから、冷えるから。

手袋を買うと決めた。

 

あなたがいないときに備えて。

 

あなたの分も買っておくよ。

色違いのサイズ違い。

 

キュッと締まるタイプじゃなくて。

すぐにとれるタイプ。

 

明日あなたに会うから、そのとき渡す。

今すぐ買いに行かなくちゃ。

 

冷たく乾いた手を早く温めて、私を潤わせて。