雑文記【ひびろぐ】

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

眠れない夜は小さな旅に出る。

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ぐるぐる回る。

ポジションが定まらない。

心もからだも落ち着かない。

 

寝返りを打つ。

少しだけ良くなった気がするけれど、すぐに飽きてしまう。

 

頭の中にあるものとは違うから。

ぐるぐる回る。

 

夏だったり秋だったり冬だったり。

そして春だったり。

ぐるぐる回る。

 

回るたびに世界は変わる。

私も変わる。

 

喜びだったりイラつきだったり癒しだったり。

そして焦燥だったり。

 

ぐるぐる回る。

どこもかしこも。

ここもかしこも。

 

からだも心も。

時計も季節も。

布団もポジションも。

 

眠れない。

 

それでも回っていく。

 

負けじと、布団の中でぐるぐる回る。

狭い部屋がぐるぐる回る。

 

心もからだも頭も回す。

ポジションが決まらないから。

少しずつ、少しずつ。

 

布団の中にも四季があるよう。

眠れない夜は。

小さな旅をくりかえす。