雑文記【ひびろぐ】

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

世の中ラブソングで溢れているけれど。

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心に残る歌詞なんて書けない。

 

本当に思ったことを伝えるには勇気が必要。

綺麗な言葉ばかりじゃないから。

言葉に表せないこともある。

 

心に響くメロディーなんて思い浮かばない。

 

キャッチ―なもの。

繊細さと大胆さを併せ持った複雑なコードなんて。

 

頭の中で浮かんだって、それはすべてどこからか仕入れたもの。

 

ラブソングなんて作れない。

ラブソングなんて歌えない。                                    

 

世の中にはこんなにラブソングが溢れているのに。

 

何気なく口ずさんだラブソング。

数秒後にはすべて忘れている。

どれも記憶に残らない。

 

何気なく口ずさんだラブソング。

どれも音が外れている。

恥ずかしくて、君の前で披露できたものじゃない。

 

そんなことのくりかえし。

 

ひとりで口ずさむ。

なんだか思っているものと違う。

頭の中で響いているものと。

自分の頭の中なのに。

それすらうまく歌えない。

 

俺が作ったラブソング。

隙だらけの欠陥品。

好きだらけの最高傑作。

 

恥ずかしくて、君の前で披露できたものじゃない。

 

こっそり口ずさむから。

なんとなく気づいておくれ。