片想いのようで両想い。
鏡よ鏡よ、鏡さん。
何十回、何百回、何千回、何万回と聞いても、あなたは何も言ってくれない。
世界一美しいのは誰?
なんて聞きたいわけじゃないのに。
毎朝、毎晩、これまで毎日あなたに聞いてきた。
でも、どれにもあなたは答えてくれない。
あなたに問うたことを、そのまま私に返してくるだけ。
聞きたいことは山ほどある。
ずっと前から。
今でも。
きっとこれからも。
あなたは私のどんな質問にも答えないだろう。
でも、教えてくれる。
私がいくら問うても。
私と同じことしか言わないけれど、教えてくれる。
昔も今もこれからも。
そのときの私を、あなたはそのまま教えてくれる。
だから私は言う。
あなたにならできる、と。
あなたはそのまま私に教えてくれるから。
私はもう一度、あなたに言う。
私にならきっとできる、と。