雑文記【ひびろぐ】

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

片想いのようで両想い。

f:id:touou:20190822205103j:plain

 

鏡よ鏡よ、鏡さん。

 

何十回、何百回、何千回、何万回と聞いても、あなたは何も言ってくれない。

 

世界一美しいのは誰?

なんて聞きたいわけじゃないのに。

 

毎朝、毎晩、これまで毎日あなたに聞いてきた。

でも、どれにもあなたは答えてくれない。

 

あなたに問うたことを、そのまま私に返してくるだけ。

 

聞きたいことは山ほどある。

ずっと前から。

今でも。

きっとこれからも。

 

あなたは私のどんな質問にも答えないだろう。

 

でも、教えてくれる。

 

私がいくら問うても。

私と同じことしか言わないけれど、教えてくれる。

 

昔も今もこれからも。

そのときの私を、あなたはそのまま教えてくれる。

 

だから私は言う。

 

あなたにならできる、と。

 

あなたはそのまま私に教えてくれるから。

 

私はもう一度、あなたに言う。

 

私にならきっとできる、と。