仲間はずれは駄目なこと。
きょうね、ほいくえんでコウタくんがレミちゃんにいじわるしたの。
あら、どうしたの?
みんなでブロックであそんでいたら、コウタくんがレミちゃんにだけブロックをかしてあげなかったの。
あらら、ひどいわね。あなたはちゃんと貸してあげたの?
うん。ちゃんとレミちゃんにいったよ。いっしょにやろう、って。
偉いわね。ダメよね、意地悪したら。
うん。ちゃんといっしょにあそんだよ。
本当に偉いわ。いつも言っているけど、仲間はずれは駄目よ。
はいっ!
皆、同じだから。少し見た目が違ったり、住んでいる場所が違ったり、考えることが違ったり。でも、そんなことは小さなこと。皆、同じだから。ね?
はいっ!
子は大きく笑う。
どこか嬉しそうに、どこか誇らしげに。
お利口さんね。さあ、お風呂も入ったし、遊んでいていいわよ。
はーい!
子は走っておもちゃ箱へと向かう。
よしっ、と。
母はため息のようなかけ声のような音を口から出して、床に座り込む。
なかまはずれはだめ~。
子がおもちゃを漁りながら、オリジナルソングを歌う。
ふふっ。
母はそれを聴いて笑いながら、すね毛の処理をはじめた。