雑文記【ひびろぐ】

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

大切なものほど遠回り。

f:id:touou:20190724211437j:plain

 

じっと見たらダメ!

さいころ、母によく言われた。

 

とても大切なものなのに。

とても大切な存在なのに。

 

直視できないなんて。

 

直接見なくても、どこにいるのかくらいわかる。

それほど大きな存在。

 

それなのにあなたを直視することはできない。

 

感謝はしているし、有難いとも思っている。

 

たまに、しばらくあなたに会えないと余計に感じる。

あなたの偉大さを。

あなたへの感謝を。

 

あなたに会えないほどあなたの良さがわかるなんて、どこか皮肉めいている。

 

そんなあなたを、じっと見たらダメなんて。

 

さいころは母の言いつけを守っていたけれど。

今はもう、自分で責任を負えるから。

 

あなたをしっかり見ることにする。

 

サングラス越しは失礼だから。

目を細めてしっかり見る。

 

感謝の言葉をしっかり伝える。

 

ありがとう。

 

お日様に直接言うのなんて、どこか恥ずかしい。

母に直接言うのと、同じように。

 

たまには面と向かってちゃんと言わないと。

伝わらないことが、きっとあるから。

 

お日様にも、母にも。

 

私はもう子供じゃない。

 

もう、直接見ることだってできる。

もう、直接ちゃんと伝えることだってできる。