雑文記【ひびろぐ】

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

集中しすぎると寄り目になる。

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そんなになみなみに入っているから。

 

こぼさないように、ゆっくり歩くことしかできない。

 

ゆっくり、ゆっくり歩いても。

溢れんばかりに入っているから少しずつこぼれていく。

 

あなたが歩いたあとは、いつだって散り散り。

あなたが歩いた道のりは、すぐにわかる。

 

だって、こぼれた跡があるから。

 

どうしてそんなになみなみに入っているの?

もう少し考えて入れればいいのに。

 

きっとそれは愚問。

 

計算なんてできやしないから。

 

あなたはどこまでも不器用。

あなたはどこまでも真っ直ぐ。

 

だからあなたのうしろを歩いていく。

 

おこぼれ狙いじゃないよ。

あなたの行く先を見届けたいから。

 

ゆっくり歩くあなた。

それでも確実に進んでいる。

 

なるべくこぼさないように。

こぼれても気にする素振りは見せない。

 

きっとなにも考えていないのでしょう。

 

考えずに、そのままのあなたであり続ける。

 

まわりのことなんて気にしない。

なるべくこぼさないように、少しだけ気をつける。

こぼれても、きっとそこまで気にしていない。

 

私にできることは、あなたのうしろを歩くだけ。

少しなら、掃除したり片付けたり。

 

他の人が歩きやすいように。

 

あなたはそんなことを気にしないで。

 

なみなみに入った、溢れんばかりのやる気と才能を抱えて。

ただ真っ直ぐ歩いていけばいい。

 

少しくらいこぼれたって大丈夫。

 

私はあなたの行く先を見届ける。

 

ほら、またこぼれた。

なみなみに入っているから、すぐにこぼれる。

 

ゆっくり歩いても、あなたからこぼれる。