とんがり君とへこんだちゃん。
へこみにへこんで、原型がわからなくなるくらいへこんでいる。
あなたはそれに気づいているのか、いないのか。
いつもどおり接してくる。
いつだってあなたはそうだけど。
ポジティブな言葉ばかり並べて、お気楽な言葉ばかり並べて。
あなたはとんがって見える。
あちこちとんがっていて、痛そうだ。
今はそっとしていてほしいのに。
鈍感なのか、あえてなのか。
慰めてちょうだい、なんて言わないから。
なにも言わないでほしいときもあることをわかってほしい。
だから今はあなたの話は聞きたくない。
とんがった話ばかりだから。
あなたの話を聞きたくないと、あなたに私が話をする。
鈍感なのか、あえてなのか。
構わずあなたはとんがった言葉ばかり並べてくる。
聞いていないふりをするけれど。
こんなに近くで続けられたら。
嫌でも耳に入ってくる。
そして次第にあなたの話を聞いてしまっている。
価値観。
嗜好。
着眼点。
発想力。
とんがったあなたのそれらは、どれも私にはないものばかり。
私のへこんだところに、あなたのとんがったところが突き刺さる。
ピタッときれいにはまる。
いびつな形の者同士。
お互いきれいな丸だとこうはならない。
日によって形は違うから。
いつもこんなにピタッとはまるはずはない。
うまくはまらないときは、ただ痛い。
そんな日もあるだろう。
お互いとんがってぶつかりあう。
お互いへこんでなにも噛み合わない。
そんな日もあるだろう。
でも今日はピタッとはまる。
今日はこれでいいのかもしれない。