雑文記【ひびろぐ】

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

理想論の論破を恐れる。

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駐車場を探す。

 

いいところがないかな、とグルグル回る。

 

いいところを見つけた、と思ったら満車。

こんないいところ、なかなか空くわけもなく、またグルグル回る。

 

君の部屋から少しずつ離れていく。

 

仕方がない。

 

君が住むマンションに駐車場はない。

だって君は車を持っていないから。

 

君の部屋の近くの駐車場はほとんど満車。

時間帯のせいかな。

 

たまに空いているところはあるけれど、看板を見てはまたグルグル。

 

仕方がない。

 

君の部屋から少しずつ離れていく。

 

ちょっと高いね。

少しでも安いところを探している。

打ち止めがあって、それが少しでも安いところ。

 

僕のしょうもないところが見え隠れ。

 

君には言えないところ。

 

グルグル探す。

早く君のところへ行きたいけれど。

 

少しでも君と長くいたいから、少しでも安いところを探す。

 

ちょっとしか君と一緒にいられないなら、この努力は意味がない。

それでも僕は望む。

理想を望む。

 

できたら朝まで一緒にいたい。

 

すぐに帰ることなんて思っていない。

だから、少しでも安いところを探している。

 

僕の切ないところが見え隠れ。

 

グルグル回る。

君の部屋からどんどん離れていく。

 

ああ、早く君のところへ行きたいよ。

 

遅くなった理由を君には言えない。

僕の卑怯なところが見え隠れ。