雑文記【ひびろぐ】

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

釣り日和は釣られ日和でもある。

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どこからか糸が垂れてきた。

その先についた針にエサが引っかかっている。

 

エサの種類は様々。

 

目につくエサはその時々。

 

私の気分に合わせて。

私がその時求めているものに合わせて。

 

わかっている。

 

ほとんどのエサがトラップ。

 

何も考えず目の前のエサに食いつくと、すぐに釣り上げられてしまう。

 

よく見ること。

よく知ること。

 

駆け引きが大切。

慎重さが大切。

 

わかっている。

 

でも食いつかないわけにはいかない。

 

食べなきゃ、死んじゃうから。

生きていくには食べないと。

 

どれを食べようか迷っているうちに。

お腹は減るばかり。

 

お腹が減れば、判断力が落ちる。

本能には勝てないから。

欲望には勝てないから。

 

どれを食べよう。

本物を見極める力が欲しい。

 

腹減りには勝てない。

こうなったら勘でいくしかない。

 

勢いも大切。

 

お腹が減った。

そろそろ食べないと。

生きていくために食べないと。

 

糸が垂れてくる方に目をやる。

 

いい天気だ。

 

釣っている方も気持ちいいだろう。

釣り日和。

 

釣り上げられながら、そんなことを思う。