雑文記【ひびろぐ】

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

ポイ捨てとゴミ捨て。

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あなたのことを悪く言う人がいる。

 

ああだこうだ、とあなたのいないところで。

 

きっとあなたの耳にも届いているのに。

良い気なんてしないのに。

あなたは気にしない素振り。

 

でも私は知っている。

 

あなたが誰も知らないところでゴミをまとめて捨ててくれていることを。

 

他の誰もそのことを知らない。

 

私は誰にもそのことを言っていない。

あなたはそれを望んでいない気がするから。

 

他の人は言う。

ああだこうだ、といろんなことを並べ立て、あなたのことを悪く言う。

 

あなたはいつも何も変わらない。

私はひどくそれを気にするのに。

 

私はあなたのことを、ああだこうだ、と言わない。

それでもあなたに罪悪感を覚える。

ああだこうだ、と聞こえていないフリをしてしまうから。

 

ごめんなさい。

 

あなたは謝られることを望んでいないでしょう。

だから私は謝らない。

 

謝るより先にやることがあるのはわかっている。

それをしない私に謝られても、しょうがない。

 

あなたのことを、ああだこうだ、と言う人たち。

みんなゴミをポイポイ捨てるだけ。

 

あなたがきれいにしてくれたゴミ箱を、またいっぱいにするのはその人たち。

いっぱいになったゴミ箱には気づかないフリ。

本当に気づいていないのかもしれないけど。

 

ゴミ箱いっぱいになったゴミをまとめて捨てるのはあなた。

 

誰も気づかずゴミ箱は空っぽ。

気づいているけど、誰がやったのかは気づかない。

 

次こそ私はちゃんと言う。

あなたにちゃんと言う。

 

ありがとう。

 

いつもありがとう。

 

私もちゃんとゴミをまとめる。

 

あなたがいないところで、こっそりと。

 

それがせめてもの、あなたと私への罪滅ぼし。