雑文記【ひびろぐ】

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

何を作っているのでしょうか?

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煙突から白い煙がモクモク。

 

その先には空が広がっていて、大きくて白い雲がある。

 

遠くから見ると、煙突の先と雲がつながっている。

まるで雲を作っているみたいに。

 

モクモク、モクモク。

 

煙は絶えることなく出続ける。

雲はどんどん大きくなる。

 

白かった雲はやがて灰色へと変わり、空じゅうを覆った。

 

空いっぱいに雲ができたのに、煙突からはまだ煙が出続けている。

 

灰色の雲から雨がポツポツ。

冷たい雨が降りはじめた。

 

雨は時間と共に強くなる。

あたりも暗くなってきた。

いろんなところで明かりが灯る。

 

夜なのに、町はどこまでも明るい。

 

木や花は雨を浴びて輝きはじめる。

 

煙はモクモク。

雨はザアザア。

 

空はとっても暗いのに。

町はとっても明るい。

 

もう時間が遅いから寝よう。

雨は止む気配すらない。

 

小さな窓から煙突が見える。

 

まだモクモクと煙が出ている。

町は明るい。

木や花は気持ちよさそう。

 

部屋の明かりを消す。

少しだけ町が暗くなった気がした。

 

少しだけ煙が少なくなった気がした。