雑文記【ひびろぐ】

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

足元見て歩いても目的地には着く。

f:id:touou:20190416211759j:plain

 

いつも何かを探している。

何を探しているのかは、わからない。

 

ポケットの中やバッグの中にないのはわかっているのに。

引き出しにもクローゼットにも。

 

いつも、もしかしたら、って探している。

 

探してばかりで、足元ばかり見ていたら。

ちゃんと前見て歩かないと、って怒られる。

危ないから、って怒られる。

 

前を見ていても、結局、危ないのはわかっているくせに。

 

上を見過ぎても下を見過ぎても危ないと言われる。

だから前を見て、と。

後ろなんかもってのほか。

 

前しか見ちゃいけないから、きっといろんなものを探してしまう。

何を探しているのかはわからないけど。

 

探しているものが前にあるとは限らない。

どこにあるのかわかっていたら、こんなに探すことはない。

 

だから、いろんな方を見て探す。

上だって後ろだって、下だって。

 

町に出れば、私が持っていないものを持っている人がたくさんいる。

こんなにたくさん人がいるから、探すのもひと苦労。

 

探してばかりだと疲れるから。

前だけ見ているわけにはいかない。

疲れちゃうから、下も見る。

 

危ないっていつも言われるけど。

こっちが下を向いていれば、向こうが勝手に避けてくれるから大丈夫。

 

そんな時、探していたものが見つかった気がする。

 

こんな私をわざわざ避けてくれる人を見つけたら。

私のためではないかもしれないけど、自分のためかもしれないけど。

結局は私のためになっている。

 

ほら、見てごらん。

 

足元に桜の花びらがいっぱい。

 

そろそろ次の季節がやってくる。

 

下を見ても、何か見つかる。

 

探しているものなのかどうなのか。

それは私にもわからないけど。