何度かスルーしてようやく見つける。
本屋に行って目的の本を探す。
なかなか見つからない。
それでも店員さんに聞いたり機械で探したりはしない。
自力で探す。
映画を観たくなったからレンタルショップへ行く。
なかなか見つからない。
「あ」から順番に並んでいるはずなのに、なぜか見つからない。
ジャンルも合っているはずなのに。
有名な映画だから、置いてないってことはないはずだ。
店員さんに聞くことはせず、自力で探す。
ホームセンターへ向かう。
広いな。
欲しい物はどのジャンルだろう。
いろんな看板が天井からぶら下げられている。
生活用品か雑貨かそれとも。
自力で探す。
間違い探しをやる。
難しい。
あとひとつ。
あとひとつがどうしてもわからない。
うしろのページに答えが載っていることは知っている。
自力で探す。
駐車場はどっちだ。
右か左か。
カーナビはすでに、目的地周辺です、と言って休んでいる。
自力で探す。
宝物を見つけに行く。
宝物なんて人それぞれ。
金銀財宝なんて隠されていない。
何に価値があるのか。
私にとって何が価値があるのか。
自力で探す。
夢を探しに行く。
あっちにするか、こっちにするか。
誰かはあっちにしろと言い、誰かはこっちにしろと言う。
どっちか迷うし、どっちも違う気がする。
とりあえず、で決めていいものなのかどうか。
今決めなくてはいけないのか。
すべて、自分で探す。
効率が悪い。
時間の無駄。
誰かに聞けばわかる。
そうかもしれない。
でも、そうじゃないものもある。
答えは調べればすぐに見つかる時代だけど、それが正解かどうかはわからない。
誰かには正解でも、自分には正解じゃないかもしれない。
自分には正解でも、誰かには正解じゃないかもしれない。
それすら、自分で探す。
見つけたものが求めていたものじゃなくても。
自分で探したことに価値がある。
効率が悪いかもしれない。
時間を無駄にしているかもしれない。
誰かに聞いた方がすぐに見つかる。
でも、そのぶん見つけたときの感動はデカい。
どんなにしょうもないことでも。
探しものはきっと見つかる。
探しものはいつだって近くにあるはずだから。
探しものはきっと見つかる。
探すのをやめなければ。
自分の力で見つけたら、もう忘れることも失くすことも、きっとない。