風の強い日が苦手な理由。
風が強い日は苦手。
せっかくまとめた髪の毛がすぐに乱れる。
お気に入りの服はしわになったり汚れたり。
歩いても自転車に乗っても、大体向かい風。
まだひんやりする風が強ければ強いほど、私の行く手を阻む。
目の前のことだけに必死になって、前から吹いてくる風に目を細めてそのうちなにも見えなくなる。
扉は勝手に開くし、閉じる。
私の力じゃどうしようもない。
だから風の強い日は苦手なの。
そう思いながら、空を見上げる。
見えるものも見えないものも、いらないものを全部風が吹き飛ばしてくれて星が見える。
風に吹き飛ばされることのない、いくつもの星が。
たまに追い風になって。
あの人のところへ近づいてみな、って背中を押してくれる。
見たくないのに、行きたくないのに。
だから、風が強い日は苦手なの。