雑文記【ひびろぐ】

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

風の強い日が苦手な理由。

f:id:touou:20200330213518j:plain

 

 

風が強い日は苦手。

 

せっかくまとめた髪の毛がすぐに乱れる。

お気に入りの服はしわになったり汚れたり。

歩いても自転車に乗っても、大体向かい風。

 

まだひんやりする風が強ければ強いほど、私の行く手を阻む。

目の前のことだけに必死になって、前から吹いてくる風に目を細めてそのうちなにも見えなくなる。

 

扉は勝手に開くし、閉じる。

私の力じゃどうしようもない。

 

だから風の強い日は苦手なの。

そう思いながら、空を見上げる。

見えるものも見えないものも、いらないものを全部風が吹き飛ばしてくれて星が見える。

風に吹き飛ばされることのない、いくつもの星が。

 

たまに追い風になって。

あの人のところへ近づいてみな、って背中を押してくれる。

 

見たくないのに、行きたくないのに。

 

だから、風が強い日は苦手なの。