おせち、雑煮、マクドナルド。
一日経てば正月にも慣れてくる。
厳密に言えば。
初日からそうなんだけど。
なにもやることがない。
いつもの休日よりもからだがだるくてゴロゴロして。
部屋の埃が舞うだけ。
なのに。
腹は減る。
哀しいかな。
なにもしていないのに腹は減る。
なにを食べよう。
こんなときは。
こんなときだからこそ。
マクドナルドへ向かう。
マックが食べたい。
時折訪れる、無性にマックが食べたいとき。
それが今。
メカニズムはわからない。
どこに行っても人は多いし。
道がすいているくらいが正月のいいところ。
有名な観光地や神社仏閣の近くに住んでいる人たちは大変だ。
ポテトを食べながら窓の外を見る。
いつもより車は少ない。
店内にいる人も少ない。
おせちやお雑煮よりもおいしい。
反対側の席に座っているあの人もきっとそう思っている。
正月だからこそ、尚更おいしい。
おいしかった。
いつもより多めに食べたからおなかいっぱい。
店を出る。
冷たい風が吹いている。
嗚呼。
食べたいよ。
君の作ったおせちやお雑煮。
俺だって本当は食べたいよ。
ゲップをしたらマックの匂いがした。