雑文記【ひびろぐ】

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

山のように積み重なった想い。

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毎日手紙を書いているのに。

あなたからの返事は来ない。

 

今時、手紙なんて。

そう思うかもしれないけれど、手紙の方が私の気持ちがきちんと届く気がする。

 

きちんとあなたの家に届いているはずなのに。

どれだけ手紙を書いても。

あなたからの返事は来ない。

 

信じていないわけじゃない。

 

手紙を届けてくれる配達員さんを信じていないわけじゃない。

 

だけど、やっぱり自分で確かめたい。

 

今日書いた手紙を持って、あなたの家へと向かう。

 

直接あなたに手渡せば、あなたに会えるし返事も貰える。

 

毎日書いても、書きたいことは山ほどある。

伝えたいことは山ほどある。

 

あなたの家の前へと着く。

 

あなたの家のポストは山のようになっている。

私が書いた手紙で山のようになっている。

 

ねえ。

 

あなたは今、どこにいるの?

 

どれだけ手紙を書いても返事が来ないから。

 

ねえ。

 

あなたは今、何をしているの?

 

伝えたいことは山ほどあるのに。

 

ねえ。

 

あなたは今、きちんと笑えているの?

 

手に持った手紙を。

 

私の言葉を山ほど詰めた手紙を。

 

私の手紙が山ほど詰まったポストへ押し込む。