光を求めると光っていなくても光ってみえる。
明かりが点く度に視線を奪われる。
期待していないふりを自分にしながら、いつでも視界に捉えている。
本当は期待していることに気づかないふりをして。
どうせ、と思い。
まさか、を望む。
明かりが点く度、何度も視線を奪われ何度もからだを揺らす。
音は消す。
気にしていないふりをしたいから。
期待していないふりをしたいから。
なのに、何度も見てしまう。
明かりが点くと、見てしまう。
明かりが消えたら、ため息が出る。
期待なんかしていないでしょ、と言い聞かせながら。
いつまで経っても満たされない。
空っぽになった私のどこか。
あなたの名前はどれだけ待っても表記されない。
明かりが消えた画面には、私の顔が映り込む。
がっかりした顔を自分で見たら、余計にがっかりしてしまう。
私は今、こんな顔をしているのか。
私ですら知らない私の顔を、あなたはさせる。
私ですら知らない私の部分を、あなたは教えてくれる。
あなたの名前を待つけれど、あなたの名前は出てこない。
あなたの番号を見つめるけれど、あと一押しができない。
あなたからの連絡を待っている私は。
私も知らなかった、はじめての私。